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北限のゆず調査録 No.15 現地調査⑪


みなさんこんにちは、北限のゆず調査団・早稲田大学4年の塩山祈です。


今までの調査から 「気仙大工が陸前高田へゆずを持ち帰った」 という言い伝えがあったため、8月の現地活動で気仙大工左官伝承館の方にお話を伺うことにしました。



気仙大工は、宮城県仙台市や名取市などの東北地方だけでなく、大阪や名古屋、静岡などの地域まで出稼ぎしていたということが分かりました。


気仙大工は田んぼの世話をする傍ら、


親戚一同で出稼ぎ先に行き、お盆になったら帰る


という生活を送っていました。


また、お話を伺った方のご実家は建設関係のお仕事をされており、祖父が九州からシュロの木を持ち帰り、庭木として植えたそうです。



ゆずは、果汁と砂糖にお湯を注いだゆず湯や、漬物、ゆべしに練り込むという使い方をしていました。


特にゆべしは、陸前高田という土地に根づいた食べ物で、海に近く塩害でお米があまり生産できない中、お米を最後まで大事に消費する食べ方として生まれたものです。


余ったお米を川で2日ほどさらし、乾燥させ粉にして熱湯をかけて作られます。



「気仙大工が陸前高田にゆずを持ち込んだ」という説を支えるお話を伺うことができ、非常に有意義な時間となりました。


今後も気仙大工に関する調査を進めていきたいと思います。

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